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組木のパズル

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数学月間SGK通信 [2016.09.13] No.131
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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皆さん,いよいよ9月になりました.お変わりありませんか.
私は,11日(日)に倉吉で開催される”とっとりサイエンスワールド”に参加するために,
もうすぐ家を出発します(今,9月11日の17時過ぎで,夜行バスは21時に出ます).
このメルマガの発行される13日の朝は,まだ倉吉にいます.そのため今週号も予約発行です.
お近くの方は,倉吉の未来中心にお出かけ下さい.色々なワークショップがあります.

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これがどうして私の手元にあるのか出所は忘れてしまいました.
その他の組木もいくつかあったのですが,遠い昔に失くしてしまいました.
この組木を手に入れたのが一番新しく,今手元にこれだけがあります.
この組木はシンプルですが,職人のすばらしいアイデアだと思います.
http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-09-2d/tanidr/folder/572283/72/17658372/img_0_m?1473494896

全体の対称性は立方晶系の完面像(最も対称性の高い点群)を思わせます.
4回対称軸が3本,3回対称軸が4本,2回対称軸が6本あります.
鏡映面はたくさんあります.
http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-09-2d/tanidr/folder/572283/72/17658372/img_1_m?1473494896

全体はこのようなパーツが6個で出来ています.
http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-09-2d/tanidr/folder/572283/72/17658372/img_2_m?1473494896

3回対称軸に沿って引き剥くことができ,二つに割れます.
写真は3回軸に沿って引き抜き開いて(内部をこちらに向けて)並べたところです.
3回軸に沿ってスライドできるのは,この分海図を見ると理解できるでしょう.
対称性を考えないと,引き抜く方向がわからず難しいパズルです.
3回対称軸は4本あるので,引く抜く方向には4通りあります.

■この組木は,x平面,y平面,z平面がかみ合っているという見方もできるでしょう.
それぞれの平面はパーツ2つからなります.
直交するx平面,y平面を作り,z平面の部品一つだけ置けるが,残り一つをどう入れるか苦闘します.
そうして,3回軸に沿ってスライドさせてできた空間に残り1つのパーツを入れることに気がつきます.
けれども,この方法で実行しようとすると,手作業的にはなかなか難しい.
手が3本欲しいということになります.
対称性を考慮すると,1つの方向にスライドして2つに割るという綺麗な解を思いつきます.
そして,この2つの部分を内側から見ると互いに鏡像にになっていることもわかります.

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高次元空間からの影

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数学月間SGK通信 [2016.09.06] No.131
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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始めにお詫びです.先週発行した”黄金三角形パズル”の図のリンクが切れていたようです.
以下のサイトに掲載しておりますので,こちらをご覧ください.
http://blogs.yahoo.co.jp/tanidr/16936782.html

さて今回は,高次元の世界から低次元の世界への影についてです.
高い次元の空間の周期性は,低い次元の空間に必ずしも遺伝しません.
ここではそのような例を見てみましょう.

■2次元の周期的な世界から1次元の非周期の世界へ
http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-09-2d/tanidr/folder/572283/37/17648237/img_2_m?1472990935

1辺の長さが1の正方形のタイル(赤色)を隙間なく張り詰めた周期的な2次元世界があります.
タイルの中心に格子点があるとして,格子点を”1次元世界(水平な青色の線)”に射影しましょう.
この1次元世界(青色の水平線)が過るタイルだけが影を作る対象になります.
■2次元の世界は,1次元の世界1,2,3,4,6,8.....(それぞれ色を変えた)を束ねてできています.
射影のスクリーンとなる1次元世界(水平な青色直線)は,これらの1次元世界1,2,3,4,5,6,...と
角度αで交わっています.
tanα=n/mと有理数なら,1つの格子点が青色の直線に載れば,
その格子点がある部分空間の中でm個のタイルを動き,他の部分空間に向ってn個のタイルを動いた場所にある格子点は,
また青色の直線に載っているはずで,青色の1次元世界にも周期が出来ています.
もしtanαが無理数なら,1つの格子点が水平な青色直線に載ったら,
他の格子点でこの直線に載るものはないはずです.この時は,青色の1次元世界は非周期になります.
■射影されてできた1次元の非周期格子を,図の下に取り出しました.
この非周期格子の格子点は,各1次元空間1,2,3,4,5,6,....内に起源をもつ間隔と,
次の1次元世界に飛び移るときに生じる間隔との2種類の間隔が混ざってできています.

■この非周期格子は,周期的2次元空間から1次元空間への射影で作りました.
周期的2次元空間の1次元の断面そのものではありません.

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黄金比3角形のパズル

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数学月間SGK通信 [2016.08.30] No.130
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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暑かった8月も終わろうとしています.学校の夏休みも終わりですね.
今日は図形のパズルです.難しい計算は必要ありません.
図形を見て考えるのみです.ユークリッド幾何の世界ですから
我々が身に着けた直観や常識で間に合い,特別な知識は要りません.
「錯角(平行線とこれに交わる直線があるときにできる角度)は等しい」
ことを使いますが,これも日常生活で身についている直観でしょう.
このように,図形の問題は特別な知識は必要ありません.
諦めずに図形を眺めていましょう.そのうちわかります.

小梁修(OSA工房)の黄金三角形パズルの一つを紹介します.
(1)正五角形の中を図のように分割して作った3種類の三角形があります.
Q1.これらはどれも2等辺三角形ですが,何故でしょうか.
ヒント:両底角が等しいと2等辺三角形になります.
http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-09-2d/tanidr/folder/558900/82/16936782/img_3_m?1472477472

これらの3種類の三角形の面積に関して,以下の関係があります.
(水色の三角形)+(黄緑色の三角形)=(オレンジ色の三角形)
Q2.これを証明してください.
(補助線一本でわかります)
http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-09-2d/tanidr/folder/558900/82/16936782/img_0_m?1472477472

(2)水色と黄緑色とオレンジ色の三角形パーツを使って
色々な大きさの正五角形を作りました.
(1)の正五角形(基本正五角形と呼ぶ)の面積を1とすると
Q3.作った色々な大きさの正五角形の面積はいくらでしょうか.
(5a^2:c^2:a^2:b^2 の面積比になります)
ここには基本正五角形(辺長a)の他に,
5x基本正五角形(辺長√5a),大正五角形(辺長c),小正五角形(辺長b)
が出てきます.
c^2=a^2+b^2 の関係があることを証明してください.
(この関係は,これらの三角形の面積が S_c=S_a+S_b であること
 [Q2でも証明している]から得られます)
http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-09-2d/tanidr/folder/558900/82/16936782/img_2_m?1472477472

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ランプシェードへの多面体応用

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数学月間SGK通信 [2016.08.23] No.129
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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8月21日は,とっとりサイエンスワールドin鳥取です.
とっとりサイエンスワールドは,鳥取県と鳥取数学教育会が主催し今年で十年目.
すっかり市民に定着したイベントになりました.
このメルマガが皆様に配信される日は,数学月間最終日の翌日23日です.
数学月間は7/22~8/22:これは22/7=3.14・・・,22/8=2.7・・・にちなみます.
今年のとっとりサイエンスワールドは,この期間内に,西部と東部の2か所で
実施されました(さらに,9/11は中部で実施の計画があります).
私はとっとりサイエンスワールドに参加するために鳥取に行き不在ですので,
今週のメルマガは予約発行です.
サイエンスワールドの様子は,後日のメルマガにご期待ください.

■さて,今回はランプシェードのデザインに利用される多面体の鑑賞です.
これは,球に近い多面体(いわゆるジオデシック構造)です.

www.creema.jpにある広告の写真を見て下さい.
これは,日球(https://www.creema.jp/c/hitamaya/item/onsale)さんの作品.
球面正20面体の面の細分で得られるジオデシック構造です.基礎となる球面正20面体の頂点は,
球面正3角形の頂点が5つ集まっている点の12個です.
20の面をそれぞれ細分化しジオデシック構造を作るには,各球面正3角形を4つに細分します.
全体で80個の球面三角形の面からなります.
https://d12ciics2fd1e.cloudfront.net/user/108977/exhibits/516682/1_c1e528919e76aed18f78765ae22229c698360adb_583x585.jpg

参考となる正20面体の形のランプシェードは,以下のところで見ることができます.
おりあるて(https://www.creema.jp/c/holiarte)さんの作品です.
https://d12ciics2fd1e.cloudfront.net/user/73358/exhibits/555659/1_f1e2caf473c660f6ddf04858aef8e7bdaf110412_583x585.jpg

■ジオデシック・ドームは建築家フラーが好んで作った建造物で,
炭素原子だけ60個で作るサッカー・ボールの様な構造の分子C60(フラーレン)
の語源になったものです.
バックミンスター・フラーのジオデシック・ドーム
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/8c/Biosph%C3%A8re_Montr%C3%A9al.jpg/800px-Biosph%C3%A8re_Montr%C3%A9al.jpg
(wikipedia.orgより)
正20面体からスタートして,各面を細分化していくのですが,日球さんのランプシェードの形は,
正20面体の最初の細分化で得られ,正20面体の各面となる3角形の各辺の2等分点を球面に投影して作ります.
この細分化を何度も繰り返すとだんだん球に近い多面体(ジオデシック構造)になります.

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とっとりサイエンスワールドin鳥取

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数学月間SGK通信 [2016.08.16] No.128
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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お元気でしょうか?皆様のところではお盆は如何お過ごしでしょうか.
このところ先週の猛暑は少しおさまり助かりますね.
私は,日曜日からお盆で田舎に来ております.
母の新盆は7月に済ませましたが,8月は田舎のお盆で,従兄の新盆や,義父母の墓参に来ています.
そして,17日は父の祥月命日ですので,田舎からとって返してこちらの墓参に行きます.
そうこうするうちに,とっとりサイエンスワールドin鳥取(8月21日)が迫ってきました(私は前夜の夜行バスで出かけます).
17日には墓参に行く前に,材料を発送しないと....もうタイムリミットです.今週は全く余裕がありません.

■鳥取サイエンスワールドin鳥取(8/21,とりぎん会館)
お近くの方はぜひご参加ください.子供も大人も楽しめる数学祭りです.すっかり市民に定着したイベントになりました.鳥取県,鳥取数学教育会のスタートから11年の活動に敬意を表します.

私の万華鏡ワークショップは,30人のクラスを5回実施する計画でいます.
なかなか予定通り行きませんので,10人分ほど予備も準備します.
さて,今回作る万華鏡の映像写真をとりあえず掲載しておきます.
映像を見ると12回の回転対称性があり,点群の対称性は12mmです.
この対称性は2枚の交差する鏡で生成されるのですが,鏡の交差角は何度でしょう?(答え15度).
万華鏡の映像写真↓
http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-09-2d/tanidr/folder/572283/07/17616707/img_0_m?1471269173

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