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エッシャー視覚の魔術師

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数学月間SGK通信 [2019.12.24] No.298
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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12/20はアップリンク渋谷に映画,「エッシャー 視覚の魔術師」を見に行きました.
エッシャー(オランダ,2018)の版画作品からは,数学者としてのエッシャーは良く知られていますが,
どんな生活をした人物かはあまり気にしたことがありませんでした.
映画では,エッシャーの息子たちへの取材が面白かったです.作品にまつわるエピソード
[1955年作「表皮」から1956年作「婚姻のきづな」に発展]など,よくわかりました.
ムッソリーニ時代の全体主義に息子が染められるのを嫌いイタリアからスイスに移住しました.
人物像のわかる良い映画でした.

最後の方でエッシャーが国際結晶学会の講演に呼ばれていくところがありましたが,
私の専門は結晶学で,結晶学会では昔からエッシャーの周期的模様を教材にしており,
結晶学者には,エッシャー作品は馴染み深いものです.

アルハンブラのモザイクには平面群の17種のすべてがあるという説と1種類かけているという説があります.
どちらでしょうか?それともどちらも違うのか.実際にアルハンブラには行って調べて見たいものです.
ペンローズ・タイリングを発見したペンローズも,アルハンブラのタイルからヒントを得たと聞きます.
私も,イスラームのデザインに立戻って,タイル張りの見直しをしてみようと思っています.

映画のエンドロールにスナップ映像が流れますが,その映像の一つに,大道絵師の光景が写りました.
たまたま昨夏,ニューカッスルの通りで見かけたエッシャー作品ばかり道に描いていた大道絵師のようです.

http://cinejour2019ikoufilm.seesaa.net/article/escher-review.html シネマジャーナルへ掲載いただきました.

■エッシャー作品の生まれるまで
コクセターとエッシャーはオランダで開催された1954年の国際数学者会議で出会いました.
1958年にコクセターはこの分割を掲載した論文*をエッシャーに送り,
これがエッシャーの「極限としての円」の作品群を生むことになります.
http://sgk2005.saloon.jp/blogs/blog_entries/view/46/a655be2fc4e933a93af15e269d8b684e?frame_id=54

極限としての円の数学については,以下のブログを参照ください.
http://sgk2005.saloon.jp/blogs/blog_entries/view/46/2e340c06148db50daae618a772629e15?frame_id=54

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