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数学月間SGK通信 [2015.08.18] No.077
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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皆様,厳しい暑さの日が続きました.お元気でしょうか.私も関東で連日39℃を更新している日に
関東で一番熱い地域に黒服を着て行っていました.暑い暑い.
■地球温暖化のウソ
伊藤公紀(横国大教授)のIWJインタビューが以下のサイトにあります.
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/256431
詳しくは,同氏らの「地球温暖化論のウソとワナ」KKベストセラーズ(2008)などをお読み下さい.
複雑系である気候決定の仕組みには,多くの要因が関与しており,現状の気候モデルではまだ説明できていない.
これらの要因には,人為的なものと自然的なものがあるが,人為的なもののうち温室効果ガスのCO2の増加
によるものだけが強調されている.
現実に起こっている現象は,グローバルな(地球全体としての)温暖化ではなく,
温暖化の地域と寒冷化の地域の両方が生じており,温室効果ガスCO2の増加で説明できるような単調なものではない.
種々の自然的な要因が気候の大勢を決めていることが近年の研究により明らかになってきた.
それは太陽風が影響を与えている北極海水温の振動や,海洋での熱移動などである.
海洋のコンベアベルトモデルも単純なものではなく,海洋での垂直熱移動は大きな関与をしているし,
大気の大循環のゆらぎもある.これらの影響が大きいことがわかってきたのだが,
現実を説明できるシミュレーションのできるモデリングにはほど遠いこともあり,
IPCCの報告書は,いまだに温室効果一辺倒に偏向したものになっている.
地球は閉じた系ではなく,エネルギーの出入りがある開放系なので,理論的に取り扱うのはとても難しい.
その上,都市化や大規模工事や砂漠化により気候が変わるのを実感し,
温室効果も現象としては真実(温室効果ガスはCO2だけではないH2Oもあるが)なので,
CO2排出削減ですべて解決するがごとく説得され,政策やビジネスに利用されている.
もちろん人為的な要因排除は我々の責任ですべきではある.
しかし,この問題は人間には手の下せない自然的な要因が大勢を決めているので,
CO2排出量削減をしても解決はしない.地球温暖化を原発推進の免罪符にするのは誤りである.
原発はCO2を出さないので温室効果を低減できるという論理は,
原発で生じる熱の大半が冷却水を介して海水に捨てられ海水を直接熱汚染していることを見れば
破綻していることがわかる.
■参考ー温室効果について
私は地学を教えていた(37年前のこと)ことがあるのだが,その頃は,温室効果と石炭消費量と温暖化の話をしていた.
地球の兄弟星の金星(400℃を越える)は,限度を超えたCO2の増加と気温上昇の正のフィードバックが暴走した結果
H2Oがなくなり,現在の金星大気の98%はCO2である.H2Oがなくなる前の金星の原始大気のCO2は多くて一割と推定されている.
現在の地球の大気のCO2濃度はずっと小さいが,ハワイのマウナロア山腹で,継続観測のデータがあり,
320ppm(1960年)から370ppm(2000年)と増加しているのは事実だ.
しかし,CO2増加による気温の上昇は,せいぜい2℃程度と計算される.
地球外から到来する可視光が地表を温め,地表が宇宙に放射される赤外線を温室効果ガスが吸収するので
地球が保温される.仕組みがシンプルで見積もり易いのだが,これだけで現実を説明しようとするのは無理がある.
■地球温暖化のデータ解析は信頼できるか?
・採用したデータ自体の信頼性
経年のデータの測定条件が一定でない.恣意的なデータ採用が行なわれた.
・統計学の正しい運用
主成分分析に誤りがあったらしい.
・シミュレーションの信頼度
シミュレーションはパラメータが3つもあれば,どのような結果にも合わせられるので,
モデリングの理論的根拠が大切である.
・相関関係よりの因果関係を問う