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双曲幾何平面のタイル張り

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数学月間SGK通信 [2015.11.17] No.089
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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非ユークリッド幾何の双曲幾何平面を訪ねて見ようと思います.
エッシャーの作品で「極限としての円」シリーズを見たことがおありでしょうか.
円盤の世界で周辺に行くほど,どんどん小さくなって行く構図です.
この作品は双曲幾何のポアンカレ円盤モデルを使い,
円盤内の正則分割(コクセターの万華鏡)が基礎になっています.
正多角形タイルによるタイル張り(正則分割という)は,
双曲幾何平面の場合は無限にあります.
例として,{6,4}と{5,4}を掲載しますので,まずはご鑑賞ください.
 http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-09-2d/tanidr/folder/568613/02/17100202/img_0_m?1447229525
(注)
ポアンカレの双曲幾何のモデルは,円盤の中にすべての宇宙があります.
宇宙の果て(円盤のフチ)に近づけば近づくほど自分もどんどん小さくなるので
いつまでたっても宇宙の果てに到達できません(無限の時間がかかります).

{6,4}は正6角形による双曲幾何平面の正則分割で,各頂点に4個の正6角形が集まっています.
円盤の中は双曲幾何の世界ですから,この世界の直線は円盤のフチに直交する円弧です.
正6角形の辺はすべて直線です.円盤の中に描かれた円弧は皆,縁と直交しており,
この世界ではすべて直線です.円盤の中の正6辺形はすべて同じ大きさです.
同様に,{5,4}の図は正5角形による双曲幾何平面の正則分割の例です.
 http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-09-2d/tanidr/folder/568613/02/17100202/img_1_m?1447686193

例えば,赤い円弧で分けられた世界は左が大きく右が小さいようですが,
この円盤内の世界では同じ広さです.どちらの世界も無限に広い.
円弧は左右の世界を写し合う鏡です.鏡像は色が変るように市松模様に塗り分けました.

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