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数学月間SGK通信 [2016.02.09] No.101
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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対称性が高いとか低いとか言いますが,これはいったいどのようなことでしょうか.
正方形の対称性4mmに限定して話を進めます.その他の平面図形についてはブログをご覧ください,
正方形の対称性(点群)は,4mmと表記されます.この記号中の4は,図形の中心にある4回回転対称軸です.
4回回転対称とは,図形を90°回転しても初めの状態と全く変わらないという図形の状態です.
このような操作を4回繰り返すと1回転しますから4回回転軸という名称が付きました.
4回回転対称の対称操作の数は,90°,180°,270°,360°=0°の回転の4つがあります.
正方形の形に対する鏡映対称操作は,横辺の中点を結んだ鏡と,縦辺の中点を結んだ鏡の2枚(青色),
および対角線の方向に2分する2枚(赤色)の合計4枚があります.
前者の2枚の鏡は,4回軸の操作で互いに移り変われ,後者(対角線方向の2枚)の鏡同士も同様です.
しかしながら,前者の鏡と後者の鏡とは4回軸の操作で互いに移り変わることができませんから,
前者と後者は種類の異なる鏡です.そこで,正方形の対称性(点群)の記述では,
4mmというようにm[鏡(mirror)の意]を2つ並べて書きます(注).
(注)正五角形は5mですが,5枚の鏡は5回軸で互いに変換されますので,1種類の鏡(赤の鏡)しかないからです.
点群4mmの対称操作(要素)の数(群の位数と呼ばれる)は,全部で8個になります.
対称性が高いとは,群の位数が大きいことですが,対称要素が次々に減じていく系列のなかで考えます.
これから説明しようとしているのは,それぞれの群の下に含まれる部分群の系統図についてです.
http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-09-2d/tanidr/folder/568615/22/17246222/img_4_m?1454724698
正方形の系列で最も対称性の高い4mmには,4回軸と2種類(赤色と青色)の鏡がありました.
回転対称軸の対称性が下がって(4→2→1)行ったり,鏡映面がなくなったりして,
対称性の高い点群から対称性の低い点群(部分群)が得られます.
赤や青の矢印で結ばれたものは,群と部分群の関係にあります.
図表には,それぞれの点群の対称性を一目でわかる図形で表現しました.
対称要素の数(群の位数)をrとすると,各図形の1/rの領域(緑に塗った)を
対称操作で広げて全体を作ることができます.
つまり,対称性の高い図形ほどこの領域は小さくて済みます.