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アポロニウスの窓1

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数学月間SGK通信 [2017.03.28] No.160
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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もうすぐ桜の花見ですね.こちらでは,だいぶ咲いているようですが,ときどき寒い日が戻ってきます.
どうぞお体にお気をつけください.
私の所の固定電話は,RDDの世論調査のためにあるようなもの(実際にかかって来たことはない),
あとは,オレオレ詐欺(これもかかって来たことはない)と宣伝が来るだけなので,
高額な光回線とともに本日廃止をしました.
実際に使っているのは,携帯とWiMAXです.
昨年の,数学月間懇話会では世論調査を取り上げましたが,固定電話だけから抽出するRDD方式では
サンプルの偏りが生じるのは当然でしょう.安倍内閣の驚くべき支持率の高さも現実とはかけ離れているようです.
■はじめに,お知らせですーーーーー
数学と社会の架け橋=数学月間(7/22~8/22)
数学月間懇話会は,毎年数学月間の初日7/22に実施しています.
ことしの7/22は,土曜日です.7/22が土曜日になる確率は1/7です.
365/7(mod7)=1ですから,毎年,曜日は1つづつずれます(去年は金曜日でした).
(注)ただし,うるう年は考慮していません.
ことしは,幸運にも土曜日になりました(来年は,日曜日).
例年ならお仕事などで参加できない方もどうぞお出かけ下さい.
ーーーーーー記ーーーーー
数学月間懇話会(第13回)
7月22日(土),13:50-17:20,開場:13;30
東京大学(駒場),数理科学研究科棟002号室
参加費無料,直接会場にお出で下さい.
プログラム
1.視聴率調査の実際,森本栄一(ビデオリサーチ)
2.ブラックホールを見る,池田思朗(統数研)
3.星型正多面体の体積比較(模型も作るよ!),小梁修(osa工房)
(演題は仮題です)
17:30から,学内のイタリアントマトで懇親会をします(飲食は各人払い)
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■これから,アポロニウスの窓(あるいは,インドラの真珠)について,3回に分けて取り上げようと思っています.
このグラスのデザインは,こちら側の模様の円が凹レンズとして働き,
向こう側の模様の円を円内に縮小して映し出すので,アポロニウスの窓を思わせます.
(リュミナルク製グラス)
http://blog-001.west.edge.storage-yahoo.jp/res/blog-09-2d/tanidr/folder/572283/34/17969934/img_0_m?1490618044

■アポロニウスの窓(円の中に円を詰め込んだフラクタル)
アポロニウス(ユークリッドと並ぶ紀元前3世紀のギリシャの幾何学者)は,
3つの互いに接する円があるとき,これらの3つの円に接する円が2つ存在することを発見しました.
互いに接する3つの円(そのうちの1つが,他の2円を内部に含む外周円の場合もある)に,
接するような円の作図を繰り返して,外周円の中に円を詰め込みフラクタル構造ができます.
これをアポロニウスの窓といいます.
http://blog-001.west.edge.storage-yahoo.jp/res/blog-09-2d/tanidr/folder/572283/34/17969934/img_1_m?1490618044

■インドラの真珠とアポロニウスの窓
仏教では,「宇宙のすべてのものが,それぞれのものの原因になっていて,どの一人にも,
無限の過去からの無数の原因が反映されている」と考えます.これはまさに複雑系の考え方です.
宮澤賢治の小品「インドラの網」は,宇宙に張りめぐらされたインドラの網目に置かれた珠玉が,
互いに映じ合い,かつ,自分自身も輝いているさまです.
インドラの網に置かれた真珠が互いに映じ合う光景を想像ください.
自分自身に映り込む他の真珠の映像には,もちろん自分自身も映り込み,さらにその自分の映像中にも世界全体が.....
「球の中に球を詰め込む」とできる美しいフラクタル図形が,”インドラの真珠”(注)です.
この美しい図形は2次元では,「アポロニウスの窓」とも呼ばれます.
(注)”インドラの真珠”,D.マンフォード, C.シリーズ, D.ライト, 小森洋平 (翻訳),日本評論社

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