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イスラムの皿★

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数学月間SGK通信 [2017.04.03] No.161
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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東京ジャーミイの玄関ホールの陳列棚に飾ってある美しい皿です.直径30cm程度です.
https://blog-001.west.edge.storage-yahoo.jp/res/blog-09-2d/tanidr/folder/585013/91/17866691/img_0_m?1491141557

中心の花の周りに小さい花が6個配置され,中心に6回回転対称があります.
中心(花弁12枚)の大きな花の内部は12回対称[中心にある6回対称の絵は無視します]ですが,全域的には6回対称,周囲の6個の小さな花(花弁9枚)の内部は9回対称[中心にある5回対称の絵は無視します]ですが,全域的には3回対称です.
6回対称軸と6回対称軸の間,3回対称軸と3回対称軸の間には2回対称軸が生じます.
その他,図に実線で描いたように鏡映面があります.

https://blog-001.west.edge.storage-yahoo.jp/res/blog-09-2d/tanidr/folder/585013/91/17866691/img_2_m?1491141557


右側の図で水色に塗った部分が単位胞です.
この繰り返し模様は平面群P6mmの対称性で,この皿はこの繰り返し模様から,オレンジ色の円の内部だけを切り取ったものと解釈できます.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■それぞれの花の内部の局所的な対称性に言及しましょう.
中心の花の内部は,12回対称(その部分群としての6回対称は全域で通用),
周りの6個の花の内部は,それぞれ9回対称(その部分群としての3回対称は全域で通用)です.
繰り返し模様全域を支配する対称性で,12回対称や9回対称はあり得ませんので,
このような高い対称性が通用するのはそれぞれの花の内部だけですので,
あたかも,高次元宇宙からいろいろな宇宙の断面が2次元の皿の表面に投影されているようで,
不思議な魅力を感じます.

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