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2重らせんの話

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数学月間SGK通信 [2017.07.11] No.175
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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皆様お変わりありませんか.暑い夏の7月,8月は数学月間の季節でもあります.
数学月間は,7/22~8/22です.この期間を中心に,数学的なイベントが
各地で盛んになるように応援しています.皆様のまわりで,数学的なイベントがありましたら
お知らせください.数学月間の会HPやFacebookなどで広報しています.
私たちも7/22には,数学月間懇話会の開催予定です.
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数学月間懇話会(第13回)

●日時:7月22日(土),13:50-17:20,開場:13;30
●場所:東京大学(駒場),数理科学研究科棟002号室
●参加費無料
直接会場にお出で下さい.
●主催:数学月間の会,日本数学協会
●問い合わせ:sgktani@gmail.com

●プログラム
1.社会調査の実際,森本栄一(ビデオリサーチ)
2.ブラックホールを見る,池田思朗(統数研)
3.星型正多面体の体積比較(模型も作るよ!),小梁修(osa工房)

17:30から,学内のイタリアントマトで懇親会をします(飲食は各人払い)
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6月28日には,数学月間勉強会(第1回)を実施しました.
こちらの内容は,メルマガでも何回かに分けて報告しようと思っています.
前号(7/4,174号)でも一部紹介しましたが,画像のリンクがうまく開かないようです.
お詫びして,174号の内容を掲載している私のブログのwebsiteを以下に示します.
https://rdsig.yahoo.co.jp/blog/article/titlelink/RV=1/RU=aHR0cHM6Ly9ibG9ncy55YWhvby5jby5qcC90YW5pZHIvMTgxMTY5NjAuaHRtbA--
どうぞお読みいただけると幸いです.
さて,数学月間勉強会の第2回は,9月27日,2時からの予定です.
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「空間群で数学と物理を学ぼう」,谷克彦
(全4回の内容)
[第1回]並進群
対称性の起源「鉱物学・結晶学」.空間の周期的デジタル化.格子と並進群.
逆空間と実空間のデリクレ胞.非周期のデジタル化.
[第2回]結晶点群
有限図形の対称性.なぜ結晶類と呼ぶか.共役類.結晶点群の分解.
[第3回]結晶空間群
結晶点群による並進群の拡大.準同型写像の核=正規部分群.
[第4回]因果律の対称性
双対空間の因果律.
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数学月間流では,数学の源泉となった物理の現場に立つ臨場感があります.
通俗解説書では何冊読んでもピンとこない(私もそうです).
しかし,補題・定理の証明に終始する抽象数学は,何に使うのかわからないと思っている皆さん.
特に若い方にお勧めします.初心から専門の方まで広くご参加を歓迎します.
第1回は,6月28日に15人の参加を得て充実した勉強会になりました.
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閑話休題.2重らせんの話に移りましょう.
数学月間勉強会(第1回)では,空間の周期に関して様々な視点から学習しました.
結晶構造は格子構造を持っており,この格子の基本ベクトルをa1,a2,a3とすると,
逆格子a1*,a2*.a3*が定義されて,この逆格子点は結晶によるX線回折が観測される点です.
格子と逆格子は,互いにFourier変換の関係にある双対空間です.
DNA結晶とその回折像もそのような関係にあります.回折像から結晶構造の推定ができます.
■Rosalind Franklin,ロザリンドは,ロンドン大学のキングス・カレッジに職を得て,
X線結晶学者としてDNA結晶の構造解析を行っていた.
DNAには水分含量の差によって2タイプ(A型とB型)があることを明らかにし,
それらを別々に結晶化し,X線回折写真撮影に成功した(1952年).
写真を見れば,X線結晶学者なららせん構造であることはすぐわかる.
X線構造解析の定石は,回折像の逆Fourier計算し,DNAの詳しい構造を求めることである.
しかし,彼女のまとめた非公開研究データのレポートは,
予算権限を持つクリックの指導教官のマックス・ペルーツが入手し,クリックの手に渡った.
一方,ウイルキンスは,彼女が赴任する前からDNAの研究をしていたが,
ケンブリッジ大学キャベンディッシュ研究所のワトソンとクリックに彼女の撮影した写真を内緒で見せた.
ワトソンは,複製の能力のあるDNAのモデルを考えていたが,写真を見て2重らせん構造モデルを確信する.
ワトソン,クリックの論文は,Nature(1953.4.25)に掲載される.ロザリンド・フランクリンらの論文,
ウイルキンスらの論文,合わせて3篇とも同号に同時掲載の体裁をとっている.
ワトソン,クリック,ウイルキンスがノーベル賞を受賞したとき(1962),
フランクリンはその4年前に37歳で亡くなっていた.
ロザリンドの時代にはコンピュータはなく,Fourier合成の計算は,
数表Beevers-Lipson短冊を用いて行う手計算であった.
また,試料たんぱく質の結晶化も不十分で,回折像のスポットもぼんやりしている.
良い結晶を作製して,X線自動回折系で6,000個もの反射スポットを得て,
コンピュータで計算し精密な構造を得るのは1981年になってからである.
https://blog-001.west.edge.storage-yahoo.jp/res/blog-09-2d/tanidr/folder/586975/66/18123166/img_0?1499584560

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