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万華鏡の定理

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数学月間SGK通信 [2017.09.05] No.183
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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いつの間にか9月になってしまいました.
皆様,いかがお過ごしでしょうか.つまらぬ騒ぎばかりで,肝心のことは報道されない今日この頃です.
私は,8月20日,鳥取,8月27日,倉吉で,とっとりサイエンスワールドの万華鏡をやりました.
例年通りの多数の参加者がありました.9月に入って母の三回忌もやりました.
さて,今回は,先週に続いて,万華鏡の話です.

■昔,万華鏡の定理(一寸大げさですが)というのを,ブログに掲載したことがありました.
「万華鏡の映像には重なり合いもできないし,空白の隙間もできない」というものです.
ここでいう万華鏡とは,何枚鏡でも構いませんが,鏡で囲まれた筒(鏡筒)の中を覗くものです.
3角形の鏡室を単位タイルとして,映像平面がタイル張りされるのは,
平面がすきまなくタイル張りできる3種類(3角定規のセットにある形)のみで,
その他の鏡室(分数型の3角形と呼びました)では,タイル張りには鏡室タイルの分割されたものが必要になります.
これらは,なかなか複雑なタイル張りで,難しいタイル張りパターンなのですが,
タイル張りが複雑でも,寧率することがすぐ言えるのは,表題の万華鏡の定理です.

https://blog-001.west.edge.storage-yahoo.jp/res/blog-09-2d/tanidr/folder/572283/84/18199784/img_0_m?1504490120

目の位置(覗き穴)をEとし,映像平面上の任意の点A3に注目しましょう.
EとA3を結んだ線分が鏡面をよぎる点をA3'とします.映像A3が何故見えるかというと,
A3'からEの方に光線がやって来るからで.この光線はどこから来たかと言えば,
万華鏡の鏡筒の中で反射を繰り返し,物体Aから出た光が到達するからです.
映像A1やA2に 関しても同様です.映像平面上の任意の点と目の位置Eとを結ぶと,
必ず鏡筒鏡面の1点をよぎります.
すなわち,映像と鏡面は1:1に対応しており,映像平面上の点で,
対応する鏡面上の点がないということは起こりません.よって,万華鏡の定理が証明されました.
ただし,対応した鏡面上の点で,たまたま,平面鏡のつなぎ目に当たるなど,現実には反射が起着ないこともあり得ます.
しかし理想的には,このつなぎ目は無限小の幅と考えれば,定理に影響を与えず隙間なく領域が飛び移ると推測できます.
さて,ついでに言及しますが,映像のもとになる鏡室の物体Aと映像面上の映像A1,A2,A3,....とは,
図からわかるように,1:(複数)の対応になります.

(注)反射率をr(0<r<r)とすると,n回反射を繰り返した高次の反射では,明るさがr^nになります.
高次の反射程暗くなり,これが万華鏡の視野地平線を決めます.

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