2020年3月の記事一覧

シュロ縄の結び方

シュロ縄で柵の竹竿を結びました.庭師は男結びと言う方法で結ぶそうですが,私は簡単にランニング・ノットという方法で結びました.実は,シュロ縄の扱いが大変だったので,一番作業の楽な結び方をして,後でこの結び方の名前を調べたら,ランニング・ノットという方法であることがわかりました.
ランニング・ノット(あるいは,スリップ・ノット)と言われる所以は,竹竿を通してから紐を引っ張って締めると結節ノットが移動して,自然に竹竿の周りの輪が締まるからです.結節になる輪から紐の両端が同じ方向に出ていますから,竹竿を通してから紐の一端を引っ張ると,輪が締り結節になると同時に,他端も同方向に引かれるので,両側から輪を締め,自分自身を締め緩みを防止しする一番シンプルな結び方になります.
ランニング・ノットの結び方で紐の両側を引っ張ると,輪の中に竹竿がなければ手品のように紐は結び目が出来ずに解けてしまいます.比較のために,もやい結びを見てみると,結びの両側を引っ張ると結節ノットは移動せず輪が出来てしまい,竹竿の周りを締める結び方にはなりませんし,竹竿がない状態で,もやい結びの紐の両側を引っ張ると解けずに固定した輪を残して結び目が出来てしまいます.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紐の始まりを竹竿の周りのランニング・ノットから始めて,柵を組んだ竹竿に巻きつけ固定し,紐の最後もランニング・ノットで収めようとするとなかなか難しい.巻いてきたひもが緩まないように締めながら出口の結節になる結び目を作る必要があるからです.
シュロ縄は水に湿らせた方がしなやかでよく締まります.シュロ縄を繰り返ししごいていると,縄に毛玉のような塊や細い箇所ができますから注意しましょう.

今回は,紐の両端をそれぞれ別の場所で固定したので,使いませんでしたが”かます結び”という方法もあります.これは紐の両端を結ぶ結び方です.

 

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Tex練習: 反応拡散方程式の解の安定性(数学的追補)

■連立線形微分方程式を解く

例えば,次の連立線形微分方程式は,行列を使って表現できます.

$$ \left\{ \begin{array}{@{\,} c @{\, } } \displaystyle \frac{d}{dt}x=y \\[0mm] \displaystyle \frac{d}{dt}y=-x \end{array} \right. $$

 $$ \displaystyle \frac{d}{dt}\left[ \begin{array}{@{\,} c @{\, } } x \\[0mm] y \end{array} \right] =\left[ \begin{array}{@{\,} cc @{\, } } 0 & 1 \\[0mm] -1 & 0 \end{array} \right] \left[ \begin{array}{@{\,} c @{\, } } x \\[0mm] y \end{array} \right]   \Longleftrightarrow  \displaystyle \frac{d}{dt}\vec{x }=M\vec{x } \\ $$

このような微分方程式の解は,初期値を $$\vec{x_{0} } =\vec{x }(t_{0})$$ として,

$$ \vec{x}(t)=\vec{x }_{0}+\displaystyle \int_{t_{0 } }^{t}M\vec{x}(\tau )d\tau  $$  となります.

これの計算は,逐次近似で無限の関数列を作れば実行できます.

$$\vec{x_{1 } }(t)=\vec{x}_{0}+M\vec{x_{0 } }(t-t_{0})$$

$$\vec{x_{2 } }(t)=\vec{x}_{0}+\displaystyle \int_{t_{0 } }^{t}M\vec{x_{1 } }(\tau )d\tau =\vec{x}_{0}+M\vec{x_{0 } }(t-t_{0 } )+M^{2}\vec{x_{0 } }\displaystyle \frac{(t-t_{0})^{2 } }{2}$$

$$\vec{x_{n } }(t)=\displaystyle \sum_{0}^{n}M^{n}\vec{x_{0 } } \displaystyle \frac{(t-t_{0})^{n } }{n!}$$

ここで,$$n \longrightarrow \infty $$とすると収束して,次の指数関数の解が得られます.

$$\vec{x }(t)=e^{M\left( t-t_{0} \right) }\vec{x}_{0}$$ ただし,$$e^{Mt} $$の定義は  $$e^{Mt}=\displaystyle \sum_{0}^{ \infty }\displaystyle \frac{1}{n!}(Mt)^{n}$$

この解は確かに, $$\displaystyle \frac{d}{dt}e^{Mt}=Me^{Mt}$$を満たします.

■線形化

現実の連立微分方程式は非線形がほとんどです.

平衡点の近傍でテーラー展開し,局所的に方程式を線形化します.

例えば,一般的な反応拡散系の方程式で$$f(u,v),g(u,v)$$は線形とは限りません.

$$ \left\{ \begin{array}{@{\,} c @{\, } } \displaystyle \frac{ \partial u}{ \partial t}=D_{u}\displaystyle \frac{ \partial ^{2}u}{ \partial x^{2 } }+f(u,v) \\[0mm] \displaystyle \frac{ \partial v}{ \partial t}=D_{v}\displaystyle \frac{ \partial ^{2}v}{ \partial x^{2 } }+g(u,v) \end{array} \right. $$

$$u(x,t), v(x,t)$$(それぞれ2種類の物質の濃度)を,平衡点のまわりでテーラー展開し,線形近似します.ただし,平衡点を$$(0,0)$$とする(このようにしても一般性を失わない).

1次の偏微分係数が作る行列(ヤコビアン)$$J$$を定義し,次のように線形化する.

   $$ J \equiv \left[ \begin{array}{@{\,} cc @{\, } } \displaystyle \frac{ \partial f}{ \partial u} & \displaystyle \frac{ \partial f}{ \partial v} \\[0mm] \displaystyle \frac{ \partial g}{ \partial u} & \displaystyle \frac{ \partial g}{ \partial v} \end{array} \right] \equiv \left[ \begin{array}{@{\,} cc @{\, } } f_{u} & f_{v} \\[0mm] g_{u} & g_{v} \end{array} \right] $$,  $$\left[ \begin{array}{@{\,} c @{\, } } f(u,v) \\[0mm] g(u,v) \end{array} \right] =\left[ \begin{array}{@{\,} cc @{\, } } f_{u} & f_{v} \\[0mm] g_{u} & g_{v} \end{array} \right] \left[ \begin{array}{@{\,} c @{\, } } u \\[0mm] v \end{array} \right] $$

$$f_{u} , f_{v} ,g_{u} ,g_{v}$$は,平衡点$$(0,0)$$での偏微分係数です.

線形化された反応拡散方程式を以下に示します.$$D_{u}, D_{v}$$はそれぞれの拡散係数(常に正).

$$ \left\{ \begin{array}{@{\,} c @{\, } } \displaystyle \frac{ \partial u}{ \partial t}=D_{u}\displaystyle \frac{ \partial ^{2}u}{ \partial x^{2 } }+f_{u}u+f_{v}v \\[0mm] \displaystyle \frac{ \partial v}{ \partial t}=D_{v}\displaystyle \frac{ \partial ^{2}v}{ \partial x^{2 } }+g_{u}u+g_{v}v \end{array} \right. $$

 

$$u(x,t)=u^{*}e^{\sigma t}\textrm{sin}\alpha x$$, $$v(x,t)=v^{*}e^{\sigma t}\textrm{sin}\alpha x$$ と置くと

$$ \left\{ \begin{array}{@{\,} c @{\, } } \sigma u^{*}=-\alpha ^{2}D_{u}u^{*}+f_{u}u^{*}+f_{v}v^{*} \\[0mm] \sigma v^{*}=-\alpha ^{2}D_{v}v^{*}+g_{u}u^{*}+g_{v}v^{*} \end{array} \right. $$

行列形式で書くと,

$$ \left[ \begin{array}{@{\,} c @{\, } } u^{*} \\[0mm] v^{*} \end{array} \right] =\displaystyle \frac{1}{\sigma }\left[ \begin{array}{@{\,} cc @{\, } } f_{u}-\alpha ^{2}D_{u} & f_{v} \\[0mm] g_{u} & g_{v}-\alpha ^{2}D_{v} \end{array} \right] \left[ \begin{array}{@{\,} c @{\, } } u^{*} \\[0mm] v^{*} \end{array} \right] $$

$$A \equiv \left[ \begin{array}{@{\,} cc @{\, } } f_{u}-\alpha ^{2}D_{u} & f_{v} \\[0mm] g_{u} & g_{v}-\alpha ^{2}D_{v} \end{array} \right] $$

は平衡点$$(0,0)$$におけるヤコビアン.

■解の安定性

$$ \left[ \begin{array}{@{\,} c @{\, } } u^{*} \\[0mm] v^{*} \end{array} \right] =\displaystyle \frac{1}{\sigma }A\left[ \begin{array}{@{\,} c @{\, } } u^{*} \\[0mm] v^{*} \end{array} \right]      \Longrightarrow      P\left[ \begin{array}{@{\,} c @{\, } } u^{*} \\[0mm] v^{*} \end{array} \right] =\displaystyle \frac{1}{\sigma }PAP^{-1}P\left[ \begin{array}{@{\,} c @{\, } } u^{*} \\[0mm] v^{*} \end{array} \right] $$

$$ PAP^{-1}=\left[ \begin{array}{@{\,} cc @{\, } } \lambda _{1} & 0 \\[0mm] 0 & \lambda _{2} \end{array} \right] $$

が対角化されると,固有値 $$\lambda _{1} , \lambda _{2}$$,固有ベクトルは $$P\left[ \begin{array}{@{\,} c @{\, } }u^{*} \\[0mm]v^{*}\end{array} \right] $$

平衡点 $$(0,0)$$ の解が安定であるためには,すべての固有値が負でなければならない.

$$\lambda _{1}<0,\lambda _{2}<0$$ が必要十分であり,$$\lambda _{1}+\lambda _{2}<0$$では少しゆるい条件になる.

$$A$$の固有値を求めるのは面倒なので,対角化により$$Tr$$は変わらない$$Tr[A]=Tr[PAP^{-1}]$$を利用し,ゆるく評価すると,$$Tr[A]=f_{u}+g_{v}-\alpha ^{2}(D_{u}+D_{v})<0$$

拡散項がない($$D_{u}=D_{v}=0$$)時の安定性から $$f_{u}+g_{v} < 0$$が成立するので,

例えば, $$f_{u}>0, g_{v}<0$$,$$\left| \begin{array}{@{\,} c @{\, } }f_{u}\end{array} \right| <\left| \begin{array}{@{\,} c @{\, } }g_{v}\end{array} \right| $$が得られます.

$$u$$は加速剤,$$v$$は阻害剤として働き,互いの解が安定化することがわかります.

 

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ナポレオンの定理の証明

正3角形であるための必要十分条件は「3つの内角すべて(すくなくとも2つの内角)60°」です.

図形の対称性から,内角の1つが60°であることを証明すれば済みます.

これは,補助線1本引けば自明です.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■さて,ここに出てきた6辺形には面白い性質があるのを見つけました.

この6辺形の中にある正3角形の中に点Pを中心になるように,正3角形の外の6辺形の部分を折り込むことができます.

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ナポレオンの定理★

ナポレオンが発見したといわれるナポレオンの定理とは次のようなものです.

ナポレオンの定理
任意の⊿ABCの各辺上に正3角形を作図し,それら3つの正3角形の重心をD,E,Fとする.D,E,Fを結んでできる⊿DEFは正3角形である.

なかなか美しい形の定理ではありませんか,ナポオンの名を冠するのにふさわしい定理だと思います.ただし,ナポレオンが発見したかどうかは記録がなくわかりません.

ナポレオン (1769 -1821) は数学好きです.
陸軍幼年学校で,代数,三角法,幾何などを勉強し,数学で抜群の成績をおさめ,1784年にパリの陸軍士官学校に入学.数学が役に立つ砲兵科へと進みます.騎兵科,歩兵科でなく砲兵科に進んだのも戦術の時代の流れを見据えての決断でしょう.砲兵司令官,将軍,皇帝になりました.この時代にフランスには多くの数学者がいました.ラプラス,モンジュ,フーリエなどが近くにおり,エジプト遠征 (1798 年) にはモンジュやフーリエが同行しました.
ナポレオンは数学が大好き,このような幾何問題を考えるのが楽しみで,きっと定理を発見したのだと私は想像します.

 



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 証明

与えられた任意の3角形を⊿ABCとします.その各辺上に作図した正3角形のそれぞれの重心がD,E,Fです.
点Oは⊿ABCの垂心(⊿ABCのそれぞれの辺の垂直2等分線が交差する点)で,点D,E,Fは,この垂直2等分線上にあります.

色々な角の角度は図中に記入してあります.我々が証明すべきことは,⊿DEFが正3角形であることで,例えば,∠DFE=60を証明すれば済みます.考えてみてください.

ヒントは,∠BFE=∠BXC  と  ∠AFD=∠AXC を証明することです. 

 ➡ 解答(証明)

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