2018年1月の記事一覧

阪大入試の物理の問題

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数学月間SGK通信 [2018.01.23] No.203
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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たいへん雪が積もりました.皆様のところは如何でしょうか.
私が顔見知りのシジュウカラさんたちも雪の明日は餌が食べられなくて大変です.
ヒマワリの種が見えるようにしてあげましょう.
今回は,出題ミスといわれて騒がれている物理の問題です.
問題
https://blog-001.west.edge.storage-yahoo.jp/res/blog-09-2d/tanidr/folder/572283/37/18386837/img_0_m?1516633230

問4を解いて見ましょう.
この設問では,議論の分かれる2つのポイントがあります.
(1)音叉から発せられる音波は,y軸の負方向(壁の報告)とy軸の正の方向では,同位相か逆位相か?
(2)壁での音波の反射は固定端か自由端か?
私の解答
(1)に関しては,A-Iの問いでは,音叉の振動が前後に対称である図があり,
音源を中心に前後で同位相の音波がでると解答させます.素直に解くならば,
問4でも音源からの音波は同位相と思うべきでしょう.
しかし,現実には,逆位相の音波も出ます(両者の音波の重ね合わせもでます).
ここで,逆位相を採用するのは,へそ曲がりだと思うのですが,間違いではありませんので,
逆位相の解答も正解としなければならず,想定した正解だけではなくなりました.

(2)音波は空気が疎密疎密・・・と繰り返される縦波です.
疎の部分は分子数は少ないが分子の運動速度は大きい.定在波ができているときは,固定端が節となり,
節と節の中央が腹です.結局,腹と腹の間隔(=節と節の間隔)が半波長λ/2です.
壁の所では分子の速度はゼロになるので,定在波の節.従って,壁は固定端です.
音源では分子の運動速度は大きいので定在波の腹です.

問4の答えは,2d=(n-1/2)λ となります.
この答えは,大学が当初想定したもので,素直な解答であると思います.
正解に加えざるを得なくなった解答は,2d=nλですが,
これは,音源の前後にでる音波を逆位相とした場合に可能です.
問5の答えは,2回の実験で測定された波長は,62cm,68cmで,平均値は65cm.
用いた音叉の周波数は500Hzと与えられているので,
音速325m/s(有効数字2桁にすると330m/s)が得られます.

■有効数字は,工学で数値計算するときとても重要です.
演算に使った数値のそれぞれの有効数字(信用できる桁数)の小さい方に合わせてきまります.
だから,普通は計算に用いるすべての数値の有効数字は揃えて計算します.
カラオケバトルで,98.716などの点か平気でつきますが,いったい有効数字はどうなんだ.
0.001の差がそんな精度の意味があるのかと思います.

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