2017年2月の記事一覧

ダビンチの星型_メルマガ用まとめ公開しない

星型を作って見ました.展開図を考えて作り,それを組み立てました.展開図には色々な変形があり,紙の使用量を小さくするような工夫も面白いです.糊代に立体内部から糊付けするのはちょっと面倒でした.
■この金平糖のような形(Fig.1)はダ・ビンチの星型の一つです.芯の部分に正12面体があり,その正5角形の12個の面の上に,正5角錘が乗っています.だから星の頂点は12個で,12個の頂点を結んでできるのは正12面体に双対な正20面体です.一つの頂点の真上から見ると,五芒星と五芒星の中に正5角形が見えます.五芒星の腕の長さと中にある正5角形の辺の比は黄金比です.この星型多面体の面(2等辺3角形)は,黄金比の三角形です.
もし,面の形を正3角形にすれば,星型正60面体が得られます.どちらもダ・ビンチの星型と言います.特にこの写真の黄金比が出て来る方は美しいですね.
■プラトンの正多面体は正多角形の面で出来ている凸の正多面体で5種類あります.プラトンの正多面体を芯にして,正多角形の各面の上に正多角錘(面は正3角形)を乗せると,ダ・ビンチの星型ができまので,ダ・ビンチの星型も5種類できます.その作り方から自明ですが,それぞれのダ・ビンチの星型と対応するプラトンの多面体は互いに双対です.

■例えば,正4面体の4つの面のそれぞれに正4面体を貼り付けた形(Fig.2)を見ましょう.この星型の頂点は4つで,頂点を結ぶと,また正4面体になります.これは,正4面体の双対図形が正4っ面体であることからわかります.
正4面体が5つ(芯にあるのは見えません)で出来ています.これを4次元の世界で組み立てると4次元の正5胞体(5つの3次元の正4面体を面に持つ4次元の立体のこと.4次元多面体の面は3次元の多面体)ができます.その意味で,この星型は,4次元正5胞体の3次元の展開図といえます.

■もう一つ例をあげれば,正8面体を芯にして,正8面体の8つの正3角形の面にそれぞれ正4面体が乗っている形の星型(Fig.3)です.互いに点対称にある2つの大きな正4面体が噛み合った形です.星型の頂点を結んでできる図形は,正8面体に双対な正6面体です.

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■次に示すユニット折り紙も,ダビンチの星型です.芯にある正8面体の各面に正3角錘が乗っています.この折紙では,正3角錐の面は正3角形ではなく直角3角形です.そして,各面はツートンカラーになっています.
対称性を調べると,芯の正8面体の頂点方向(x,y,z軸上にある)4回回転対称軸,体対角線の方向に3回回転対称軸,2つの4回回転軸の中間(同じことだが,2つの3回回転軸の中間)に2回回転対称軸があります.
4回回転軸により4色の置換,3回回転軸により3色の置換と1色の保存,2回回転軸により2色の置換と2色の保存が起こります.星型の頂点を結ぶと芯にある正8面体に双対な正6面体ができます.
(Fig.4)

この図形には4回軸があるので,色置換の操作も含めて完全な対称性にするには,塗り分けには4色用いる必要があります.3回軸の方向から見ると3色見えます.見えないもう一色は,3回軸で保存され,3回軸に垂直な面の大円上にあります.
立方体では,3回軸の方向が体対角線方向に4本あり,3回軸それぞれに,軸に垂直な大円が色を保存するので,結局,全部で4色使うという言い方もあります.

■写真(Fig.5)の星型は,立方体の6つの面に,正3角形の面で出来ている正4角錐が乗っています.芯になる立方体の1辺の長さを1とすると,星型の頂点の高さは√2/2,もし,星型頂点の高さを立方体の辺の長さの1/2に短縮すると,星型の凹入角がフラットになり体心格子のデリクレ胞(菱形12面体)になります.(Fig.6)
イメージ 1イメージ 2

 

Fig.5


■星型正24面体の展開図
イメージ 3イメージ 4

  
展開図はいろいろなものが考えられますが,作りやすいものを設計するとよいと思います.

■星型正24面体と菱形12面体
イメージ 5

 

Fig.6

   星型正24面体     菱形12面体

以下に星型正24面体と菱形12面体の展開図の比較を示します.

イメージ 6

 

■正20面体を芯にして,正3角形の各面の上に正3角錘(正4面体)を乗せた星型が,
星型正60面体です.正3角形の面が10個集まっている点と3個集まっている点(頂点)が交互にある星型です.1枚の連続した紙に展開図を描くことはできません.

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