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1. 球面正12面体の見える万華鏡をつくろう

投稿日時: 2020/06/15 システム管理者

いろいろな多面体の見える万華鏡(立体万華鏡と呼びましょう)を作ります.アルミ板やプラスチックの鏡は像がきれいに映りますが,ミラー紙(厚手0.25mmくらい)を用いても,ここで取り上げているような立体万華鏡は良好に作れますので,チャレンジしてみてください.

球面正多面体は,アラブの数学者,アブル・ワーファ(1000頃)に始まります.球面正多面体{p,q}は,球面正p角形が,頂点でq個集まっているもので,球面正p角形の1つの内角は2π/qです(図D).
そして,球面p-多角形の辺はすべて大円であることに注意しましょう.

ここで具体的に取り上げるのは,正12面体に相当する球面正12面体=球面{5,3}多面体です.

 

 

 

 

 

 

 

 


メビウスは多面体万華鏡を発明します(1850)が,これは,球面p-多角形を,2p個の球面直角3角形に分割することを使います(図A).
分割された3角形の角度は,π/p,π/q,π/2,このような直角3角形を(p,q,2)と記述します.
万華鏡は,3角形(赤く塗った)の各辺となる大円を鏡にすると得られます.
(A)メビウス万華鏡になり,正5角形の面を10個の直角3角形に分割しています.
(B)正5角形の面を5個の2等辺3角形に分割しています.Bには,Aに存在した鏡映対称面が1つ消えています.
(C)赤く塗った正3角形の周囲の辺の大円を鏡に置き換えて万華鏡を作れば,正20面体の映像が見えます.

では,AとBを作ってみましょう:展開図は,前号の[正12面体の見える万華鏡を作ろう]に掲載してあります.

A(左写真)         B(右写真)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

p.132~p.133 美しい幾何学より