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種子は人類の遺産

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数学月間SGK通信 [2017.11.21] No.194
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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今日は,数学はでません(メンデルの法則は一寸数学ですが).日本の,米・麦.大豆を守って来た「種子法」についてです.
安倍政権は,TPPの一環で,種子法廃止を2017.4に成立させてしまいました.来年3月施行です.
何事も規制改革会議に決定させ,国会の審議はろくにしない仕組みは止めてもらいたいものです.

■種子法は,1952年以来,日本の米・麦・大豆を守って来ました.稲は各地で長年改良され,300の多品種があり,
その地の風土に合った優良品種を栽培奨励しているといいます.
種子法は,多国籍企業の種子ビジネスに障害になるので廃止されました.これからは
農家の種採り,交換,保存も禁止され,例えば,モンサントの限定品種に制覇される時代になるようです.
多様性が種々の原因による不作危機の保証になっているのに馬鹿なことです.
種子・化学肥料・農薬のセットビジネスが狙いです.
無精子(雄性不稔)の株を使い開発したF1品種や,遺伝子組み換え品種が蔓延る未来を止めねばなりません.
[山田正彦氏(元農水大臣,日本の種子を守る会)のIWJインタビューより]

■F1品種の作り方[たねのうた http://tanenouta.com/pleasure/879/ より]
雄性不稔とは,おしべに問題があってうまく受精できない植物個体.
雄性不稔の株を母株として利用すると,その花粉には受粉能力がないわけですから,
別の品種の父株と交互に植えておけば,間違いなく別々品種を両親とする子が生まれます.
この雄性不稔の遺伝子は,玉ねぎの突然変異から見つかり,人参やナス,とうもろこし,
そして,これまで自家不和合成を利用していたアブラナ科でも実用化されているようです.
私たちは突然変異から見つかった遺伝的におかしい野菜を食べていることになります.
ミツバチの不妊もこの花粉に原因があるという説もあるようです.

■味のよい「コシヒカリ」と収量の多い「インデカ種」のかけ合わせで生まれるF1品種のメリットは,
1年目は,両親の良いとこ取りだが,次年のその子F2は,劣勢遺伝が出るのでそれぞれの先祖の悪い所が出ます.
農家は,毎年新しい種子を買う必要がある(メーカー指定の肥料,農薬のセットを使う契約をさせられるようです).
遺伝子組み換えは危ないですが,危なそうなF1品種の安全性は30年先にならないとわからないでしょう.
昔ながらの品種改良で生まれた種子は長い歴史があり,F1品種とは違い安全で,無農薬栽培などの工夫は農家の自由です.

■日本の野菜は,種子法の適用外だったため,すでにF1品種で海外多国籍企業に90%制覇されているそうです.
日本各地の原種の苗を「手苗」というそうで,昔の農家は,これらの種を採り「自家採種」代々引き継いで栽培しました.
私は,ブログ友にもらった「ぷよ姫」さんというミニトマトを育てています.
育て始めるのが遅かったので,11月16日になって完熟した始めの1粒を食べたばかりです.
トマトはナス科で自家受粉,交雑率が低いそうです.
食べた実から種採りをしました.小さい白い種です.来年この種を撒くつもりです.