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ケルビン立体の見える万華鏡★

菱形12面体の見える万華鏡の作り方の話をしたことがありました.
今回は,ケルビン立体の見える万華鏡を作ります.
菱形12面体とケルビン立体は,下図のような形です.

 この2つの多面体は,正6面体や正8面体と同じ対称性で,重要な形です.
どちらの多面体も空間に隙間なく詰め込むことができ,空間に詰め込んだ時に,
菱形12面体は立方面心格子,ケルビン立体は立方体格子を作ります.

■さて今回は,ケルビン立体の見える万華鏡を作ります.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

互いに直角に交わる3枚鏡が切り取る全空間の1/8が,
この万華鏡の非対称領域であることはすぐわかります.
しかしながら,ケルビン立体には,
直角に交わる3枚鏡の2等分面も鏡とする対称性があます.
1/8の空間領域の中に,
それらを鏡とする万華鏡を作ると,1/16,1/24,1/48などの空間を
非対称領域とする万華鏡が作れます.
ここでは,3回対称性が残るように尊重して,1/8,1/24.1/48の
3種類の万華鏡を作りましょう.
*注)非対称領域とは,万華鏡の内部の物体を置く領域のことです.
この物体を,万華鏡の鏡映で広げていき,どれもケルビン立体の映像が生じます.




写真A:
3種類の万華鏡を並べました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真B:
非対称領域1/8の万華鏡

 

 

 

 

 

 

 

 


写真C:
非対称領域1/24の万華鏡

 

 

 

 

 

 


写真D:
非対称領域1/48の万華鏡

 

 

 

 

 

3種類の万華鏡像で,それぞれに8個ある正6角形面の中をよく見ると,
面の分割数の違いに気づくでしょう.写真Bでは分割なしですが,写真Cでは3分割,写真Dでは6分割になっています.