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今年の米国MAMの感想☆

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数学月間SGK通信 [2015.05.12] No.063
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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2015年米国MAMのテーマ
「数学がキャリアを動かす」
http://www.mathaware.org/mam/2015/highlighted/ より)

自分のキャリアに数学を利用している実在の人物
数学の才能や嗜好を報酬や多様なキャリアに変えた17人

数学が好きだが,数学専攻者にアカデミック以外のどのような仕事があるのかわからない?
幸いなことだが,「数学を専攻するのは今でしょう」というわけだ.
なぜなら,数学がイノベーションの原動力であるようにキャリアも運ぶからだ.
数学の才能と嗜好を,実業界や工業界や政府での多様なキャリアと報酬に替えた17人が紹介される.
彼らが影響を受けたものやそのキャリア・パス選択を見ることは,
アカデミックの外にキャリアを探す数学専攻者にとって,ユニークな見通しや有用なアドバイスになるだろう.

詳しく知るには
http://www.mathaware.org/mam/2015/highlighted/#sthash.gXM8A0oh.dpuf
に17人のプロフィールがあります.17人のうちIBM研究所の人が2人います.
そのほかは,data scientistという人が多いようで,
これらは統計学やコンピュータを用いた数学分野です.

■代表的なプロフィールの例
プロフィール:Jean Steiner
データ・サイエンティスト,Google社,ニューヨーク

私は、工学分野の広告組織Googleのデータ科学者です.
広告主が彼らのgoogle AdWordsアカウントを
どのように管理したらよいかを理解するためにデータを分析し,
彼らに良いツールの提供ができ,彼らのアカウント管理が容易になるようにしています.
私はデータから話を引出し,我々のソフトウエア技術者が良い製品を作るのを助けます.
データ・サイエンティストという役割をする人のほとんどは,
統計学,生物情報学,認知科学,物理学,数学,経済学などの背景を持っています.
私は,アカデミックの場の純粋数学からスタートした
(博士号を取った後,ポスドクフェローシップで研究と教育を行った).
そして,私はやはり定量的であるが,応用的な何かをしたいと思った.
多くの可能なキャリア(例えば、疫学、定量的な金融、経営コンサルティング)
を探しての情報インタビューの結果,Googleで私の関心にぴったり合った仕事を見つけた.
データ解析と,わずかばかりの軽量シェル·スクリプト(コーディング),
ビジネスへの関心が組み合わさっている仕事だ.
当初,私は金融機関で,収益予測,分析,報告をしていたが,
最終的には,より深い分析とより少ない報告を望んでいたので,
データ・サイエンティスの役割に移動した.

■個人的な感想-----
今年の米国MAMのねらいは,数学者の働き場所は大学教授や教員の他にも広範な分野があり
需要があるということにある.「だから数学を学ぶなら今でしょう」という調子だ.
この状況は日本でも全く正しいとは思う.

しかし,今年の米国MAMのキャンペーンのなかで,数学のキャリアは年収が高いとか言うのは眉唾物だと私は思う.
2014年度の高年収職業ベスト10とかワースト10とかは馬鹿げたデータだ.
だいたい高収入が欲しくて数学を専門にするなどおかしな話だ.
17人のプロファイルもそれほど面白くない.
広範な各分野で具体的にどのような数学を用いた仕事や研究をしているのかを知りたいと思ったのだが,
週刊誌の表題程度のレポートで,本年の米国MAMの内容には失望した.