ポアンカレ万華鏡

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数学月間SGK通信 [2014.12.09] No.041
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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◆皆様,お元気でお過ごしでしょうか.選挙が迫り慌ただしい日々ですね.
大事な選挙です.私はもう期日前投票を済ませましたよ.
先週土曜日には,河合弘之弁護士の作ったドキュメンタリー「日本と原発」を
見てきました.皆様の近所でも有料試写会(自主上映)がきっとありますので,
ぜひご覧になることをお勧めします.
「原発は複雑系なので,事故が雪崩を起こす弱点(ここを攻撃されると過酷事故になる)
が思わぬところにある.その引き金となるのは,地震・津波だけではない」と,
メルマガ006に掲載したことがあります.ぜひお読みください.
バックナンバーはブログにもあります.私は,原発だけは止めたいと思っています.
高木仁三郎さんと「宮沢賢治をめぐる冒険」でお話したとき(1997年)のことが
昨日のように思い出されます.この本は,市民科学者として活躍した高木仁三郎さんが
羅須地人協会に打ち込んだ賢治と重なって見える良書です.
これら数学以外のことは,ブログの方に掲載することにしましょう.
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◆双曲幾何の円盤世界
Fig.1の灰色の円盤内の世界は,双曲幾何の世界です.
この世界の直線は,世界の果て(外周円)に直交する円弧
-例えば,Fig.1の赤い円-です.もちろん直径のような本当の直線も
灰色世界の円盤の外周円に直交しますのでこの世界の直線です.

赤い円で2分された灰色世界の左側と右側は
赤い円を反転円として,互いに反転鏡映像になっています.
Fig.1 
http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-09-2d/tanidr/folder/545271/67/16306967/img_1_m?1418046545

2つの平面鏡と1つの円柱鏡で作られる万華鏡(Fig.2)を見てください.
赤く塗った3角形の各辺は,この円盤世界の直線です.
赤く塗った3角形の頂角は,30°-45°-90°.内角の和は165°で180°に
足りませんが,この円盤内の世界は双曲幾何の世界なので当然です.

赤く塗った3角形の辺を紙面に垂直な方向に伸ばした3角柱を考えると
平面2枚と円柱鏡からなる万華鏡ができます.
円柱鏡が生む映像は数学的な反転鏡映像としますと
Fig.2のような円盤内の分割(ポアンカレ万華鏡像)が得られます.
塗られた3角形と白い3角形は鏡映の度に入れ替わるので市松模様です.
Fig.2
http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-09-2d/tanidr/folder/545271/67/16306967/img_0_m?1418046545

実際に作ってみました.ポアンカレ万華鏡を再現するのは困難です.
円柱鏡での光の反射(物理的)は,数学的な反転操作とは異なり
厳密な数学的な反転鏡映は,光学的には実現できないのが残念です.