フィボナッチと音楽

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数学月間SGK通信 [2018.09.25] No.234
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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フィボナッチ数はいろいろな所に現れます.
230号に続きThomas Koshyの著書からの引用です.
今回はフィボナッチ数と音楽の関係です.
フィボナッチ数は次のように定義される
F(n)=F(n-1)+F(n-2).F(1)=1,F(2)=1として数列を作ると
1,1,2,3,5,8,13,.......が得られる.
ピアノの鍵盤は,フィボナッチ数と音楽のつながりを魅惑的に可視化している.
鍵盤上で1オクターブは,2音の間の音程で,高音の周波数は低音の2倍になっている.鍵盤でいうと,1オクターブは,5つの黒鍵と8つの白鍵,合わせて13の鍵で構成される;図.この5つの黒鍵は2つのグループをなしている;一方は2鍵よりなるグループ,他方は3鍵よりなるグループ.

 

 

 

 

 

 

 

 

 


1オクターブに入る13の音は,西洋音楽で最も一般的な音階であるクロマチック音階(半音階)を作る.クロマチック音階に先行して,2つの他の音階;5音からなるペンタトニック音階と8音からなるダイアトニック音階があった. お馴染みの"Mary had a Little Lamb” と “Amazing Grace” は,ペンタトニック音階を使い演奏できる.また, “Row, Row, Row Your Boat” のメロディーはダイアトニック音階を使い演奏できる.
長6度と短6度(それぞれ,6つ離れた音,および5+1/2離れた音)は,耳を最も喜ばす2つの音程である.長6度は,例えば,音CとAから成る:それぞれの音は,1秒当たり264と440の振動数である;図.264/440 = 3/5は,フィボナッチ比であるに注目しよう.
短6度は,例えば,1秒当たりの振動数330と528の音であるEとCから構成される. それらの比もフィボナッチ比である: 330/528 = 5/8.
[自音の音程は1度という.1オクターブの音程は8度である.]