多面体の見える万華鏡

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数学月間SGK通信 [2018.08.21] No.229
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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参考

9月2日は,とっとりサイエンスワールドin倉吉(未来中心にて)に行きます.
今年の万華鏡は,去年のものより少し高級になり3枚鏡です.
きれいですよ.お近くの方どうぞご参加ください.

今日の話題は,多面体の見える万華鏡です.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 reciprocalという言葉があります.経済などでは,互恵的とか対等とかいう意味で使われます.
結晶学では,結晶格子crystal latticeに対して,逆格子のことをreciprocal latticeといいます.
両者の関係は,多面体でいうと,面を頂点に,頂点を面に変換した多面体
(これを双対dualな多面体という)の関係と同じです.

例えば,シリコンの結晶格子は面心格子で,ディリクレ胞を描くと菱形12面体です.
シリコンの逆格子は体心格子で,ディリクレ胞を描くと{6,6,4}半正多面体,いわゆるケルビン立体です.
結晶格子中のデリクレ胞と逆格子中のデリクレ胞は,このように互いに双対です.
格子に対して逆格子reciprocal latticeとはうまく名付けたものです.
もちろん,対称性はどちらも同じ,正6面体の対称性です.
作製した万華鏡は,左から覗くと菱形12面体が,右から覗くとケルビン立体が観察され,両者の対称性は同じであることを理解するのに役立ちます.