モーリーの定理

モーリーの定理:「3角形の各内角の3等分線の交点(最初に出会う3点)が作る3角形は,常に正3角形である」
1899年にフランク・モーリーによって発見されたこの定理の証明はとても難解です.一般角の3等分自体が,定規とコンパスで作図不可能ですから,この定理の証明も困難そうです.この定理の背景に不可能作図の角度の3等分があるので,この定理は盲点だったのでしょう.ユークリッドの時代に発見されても良さそうな初等幾何の定理なのに,発見は最近百年の出来事です.

 

■Frank Morlay(1860年英国生まれ.ケンブリッジ卒業.1887年より米国定住)学生時代から始まるThe Edcational Timesへの数学問題(主として幾何学)掲載は,50年にわり,60題を越す.1900年,ジョンズ・ホプキンス大,数学教授
米数学協会Bulletinの編集,ジョンズ・ホプキンス大では the American Journal of Mathematicsの編集を30年間務めた.

http://jwilson.coe.uga.edu/EMT668/EMAT6680.F99/Estes/morley/morley.html

■モーリーの定理の証明は,モーリー後も,いろいろな人が,さまざまな方法で証明しました.三角関数を使ってM. Satyanarayana,初等幾何学的にN. Naranjengar(1909), Alain Connes(1998), John Conway などなど....
数学では,定理を発見し証明するのは価値がありますが,すでに証明されている定理でも,別の方法で証明することは重要です.特に,その証明法が飾りを削ぎ落し定理の本質を暴き出すものであれば非常に価値が高い.皆様もこの定理に挑戦ください.

■ Taylor and Marr(1914)は、2つの幾何学的証明と1つの三角関数を使った証明を提示しました.
この定理を広げて,さらに美しい驚くべき結果も得られています.内部の正3角形に加えて、外部に4つの追加の正3角形があります(Wells 1991).

 

 

 

 


http://mathworld.wolfram.com/MorleysTheorem.html