球面正12面体の見える万華鏡

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数学月間SGK通信 [2018.11.13] No.241
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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いろいろな多面体の見える万華鏡(立体万華鏡と仮に呼ぶことにします)を作っています.
アルミ板やプラスチックの鏡は像がきれいに映りますが
ミラー紙を用いても,ここで取り上げているような立体万華鏡は良好に作れますので.
チャレンジしてみてください.


球面正多面体は,アラブの数学者,アブル・ワーファ(1000頃)に始まります.
球面正多面体{p,q}は,球面正p角形が,頂点でq個集まっているもので,
球面正p角形の1つの内角は2π/qです(図D).そして,球面p-多角形の辺はすべて大円であることに注意しましょう.
ここで例に取り上げるのは,正12面体に相当する球面正12面体=球面{5,3}多面体です.

 

 

 

 

 

 

 

メビウスは多面体万華鏡を発明します(1850)が,これは,球面p-多角形を.
2p個の球面直角3角形に分割することを使います(図A).
分割された3角形の角度は,π/p,π/q,π/2,このような直角3角形を(p,q,2)のように記述します
万華鏡は,3角形(赤く塗った)の各辺となる大円を鏡にすると得られます.
Aは,メビウス万華鏡になり,正5角形の面を10個の直角3角形に分割しています.
Bは,正5角形の面を5個の2等辺3角形に分割しています.Bには,Aに存在した鏡映対称面が1つ消えています.
Cの赤く練った正3角形の周囲の辺の大円を鏡に置き換えて万華鏡を作れば,正20面体の映像が見えます.
それぞれの映像写真は続きに

■正12面体像の見える万華鏡

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・左図は,この展開図(直角3角形ーピラミッド万華鏡)による正12面体の映像で,正5角形の面が10分割されています.

・右図は,正5角形の面の1/5が万華鏡の内部(非対称領域)にあるような万華鏡による映像です.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の写真は,やはり正5角形の面の1/5が万華鏡の内部(非対称領域)にあるような万華鏡ですが,
展開図に示す光の窓になる部分が円形であるため,球面正12面体の映像が見えます.