星型小12面体(ケプラーの星型)

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数学月間SGK通信 [2017.03.21] No.159
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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ダ・ビンチの星型のうち,星型小12面体の話をしました.
これは,庭園美術館,朝香宮邸,姫宮の部屋の照明に使われている星型です.

もうすこし詳しく星型について,取り上げます.
http://blog-001.west.edge.storage-yahoo.jp/res/blog-09-2d/tanidr/folder/566714/02/17957102/img_0_m?1489885670
左の図は五芒星で星型多角形,右の図は正5角形で凸多角形です.
左の星型は5/2角形,右の正多角形は5角形と記されますが何故でしょうか.

頂点Aから出発して,五芒星の辺をたどるとA→C→E→B→D→A,
星型が閉じるまでに,辺の向きが2回転します.
つまり五芒星では,1つの頂点での辺の向きの回転角は,2×360°/5 です.
比較のために,正五角形の場合は,1つの頂点で360°/5だけ回転することを思い出しましょう.
この星型多角形を5/2と書くのは,2x360°/5=360°/(5/2)だからです.

http://blog-001.west.edge.storage-yahoo.jp/res/blog-09-2d/tanidr/folder/566714/02/17957102/img_1_m?1489885670
この星型多角形が頂点で5つづつ集まる{5/2,5}は,星型小12面体になります.
この星型は正12面体をコア(芯)にして,各正5角形の面の上に正5角錐が乗った形です.
星型の頂点は12個あり,正12面体の面に対応しますから,12個の頂点を結んでできる正多面体は
正12面体に双対な正20面体です.

■さて,この星型小12面体{5/2,5}は,プラトンの正多面体(正12面体)を芯にして,
その正5角形の面に正5角錐を貼りつけた形でした.
同様に,プラトンの正多面体(正20面体:正12面体に双対)を芯にして,
その正3角形の面に正3角錘(正4面体)を貼り付けてできる形は,星型大12面体{5/2,3}と呼ばれます.
これら2つの星型は,ケプラーの星型多面体とも呼ばれます.
序に,この2つの星型に双対な,{5,5/2},{3,5/2}はポアソンの星型と呼ばれます.

■星型小12面体は,五芒星の面Fが12枚,稜の数Eが30,頂点の数Vが12ですので,
F-E+V=-6(我々の知っているオイラーの多面体定理では2となるべき)となります.
これは星型小12面体の空間が,球の位相と異なり,穴が4つ空いた浮袋と同じ位相であるためです.