49平面タイリングの鑑賞

1種類の形(2等辺3角形)の赤色と黄色のタイル(赤タイルと黄タイルは互いに鏡像)で作ったタイル張り模様を鑑賞しましょう.1種類の形のタイルで,平面をタイル張りすると,必ず周期的なタイル張りになってしまうと思い込むのは間違っています.確かにFig.4,やFig.5のような周期的なタイリングはすぐ思いつきます.

 

 

 

 

 

 


しかし,Fig.2やFig.3のように非周期なもので,平面をタイル張りするものがあります.Fig.2は中心に回転対称があるタイリング模様で,点群5mの対称性です.Fig.3は,2つの目がある螺旋パターンのタイリングで,水平線は映進面だと思うかもしれませんが,このパターンには周期がありませんから映進操作はできません.
螺旋の目の中間に対称心があります.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて,ここで万華鏡で作られるタイリング模様Fig.1の登場です.
この万華鏡を生む3枚の鏡は1つの頂点では点群を生成しますが,他の2つの頂点では点群を生成しません.従って平面を赤と黄色の市松模様で埋めることはありません.全体の代数系は,群より緩いもの(特殊な亜群)になってしまいますから非常に複雑です.
対称操作は局所的で,独自の作用域と値域があり興味深いものです.
作用域,値域の制限のために,一つのタイル全体が無傷で写像されるパターン内の位置と,部分が写像される位置があり,このような複雑なタイリング模様ができます.