数学月間の会SGKのURLは,https://sgk2005.org/
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●正しく統計を理解しよう!
私達は,yes/noのデジタル思考に毒されています.
そして,数学や科学は,yes/noの答えを出せるはずと思い込んでいます.
しかし,真実はyesでもnoでもない.それを,「yes/noで答えろ」と無理な要求をします.
このようなグレーゾーンの扱いを,都合の良いように報道する大手メディアの数学リテラシーの欠如を憂います.
私達は,不確かなものを正しく判断しなければなりません.
「わずか0.5%の発癌率の上昇」といいますが,それは,何人のがん患者を生み出すと思いますか?
そして,安全/危険のデジタルの区分は何処にありますか?
これらは数学や科学が答えを出してくれません.
国民がどのような生活を選択するか,科学を超えて判断する<トランス・サイエンス>の課題です.
数学月間が今ほど必要な時代はありません.
●大規模データの解析困難さ!
今年の米国MAMのテーマは,<数学,統計学とデータの洪水>でした.
統計学は,品質管理,医療・創薬・臨床,経済金融,統計調査,データマイニングなどの分野に係わり,現在ますます必要性が増しています.
大規模データ(データの洪水)といっても,被験者1人から大量(p個)の特正データを採集できるが,被験者の数(n個)がはるかに少ないn<<pという状態で,推論を行わなければならぬ困難さ-「新NP 問題」が生じている.
つまり,大規模データがあっても,データがむしろ不足している状況で,適用できる統計的推論の新手法が必要とされています.
●不確かさで満ち溢れた世界!
私達は,観測データからモデル(現象を起こす仕組み)を推定する.
このモデルが,全ての観測データをよく説明したとしても,このモデル(サイバー世界)が真実であるがどうか誰にもわからない.将来,このモデルで説明できないデータが観測される可能性は消せないのだから.
かように私達の世界は,不確かなことで満ち溢れています.
SGK通信(2012-03)をご覧ください.