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No.460 フォノニクスとは何か

投稿日時: 2023/02/07 サイト管理者

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数学月間SGK通信 [2023.02.07] No.460
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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◆お知らせ
数学月間の会のウエブサイトhttps://sgk2005.saloon.jpは12月にリニューアルし,お陰様で多くの方々がアクセスされています.
さらに,2月初め(先週)に,新しいURLのサイトhttps://sagk2005.orgの開設も行いました.
現在は,これら両方のサイトを見ることができる状態です.今後は,旧サイトの更新は行わず,新サイトのみ更新します.
どうぞ,新サイトにご訪問ください.現在、旧サイトへのアクセスは日に千件程度,新サイトへのアクセスはゼロです.
(新サイトのURLをお知らせするのは、今回が初めてですので当然ですね)どうぞ新サイトをご利用ください.
引っ越し先の新サイトURLが十分に周知されれば,旧サイトは閉鎖する予定です.

◆今回のメルマガのテーマは,フォノニクスという科学技術についてです.
音波は,空気や物質中の振動の伝播のことで,熱振動も物質原子の振動ですから音波の仲間に入ります.
量子化された音波をフォノンと言いますが,フォノニクスで,音波を一方向だけに伝える物質や,
熱を一方向だけに伝える物質を作れます.
弾性率の異なる素材の交互積層の超格子(周期構造はバンドギャップを生む)や,ナノチューブが材料に利用できそうです.

超音波を集束させたり,一方向だけに流す超音波ダイオード,超音波整流器.
コヒーレントな熱波を作ったり,熱流ダイオードなどが実現可能なようです.
これらは医学や精密機械分野に有用ですが,
光学的な不可視マント(ステルス航空機)のような超音波の不可視マント(ステルス潜水艦)
のような軍事利用と結びつきそうな技術でもあります。

フォノニクスは音波を操る技術分野で,これはフォトン(光子)を操る技術分野をフォトニクスという
ことに倣って作られた述語です.
物質の振動(音,熱)の量子がフォノンで,振動周波数の高い熱振動までもフォノニクスに含まれます.
フォノニクス(フォノン)の分類は,次のように振動の周波数で行われ,
(1)超低周波音域;15Hz未満,
(2)可聴音域;15Hz~20kHz,
(3)超音波音域;20kHz~100MHz,
(4)極超音波音域;100MHz~100GHz,
(5)テラヘルツ熱振動音域;100GHz~100THz
の領域にわたります.これらの分類がなされる所以は,フォノンの周波数は,励起される物質のサイズに関係があり,
それぞれのフォノンの特性が異なるからであります.

この先の詳細は,https://note.com/sgk2005/n/n6c1624e3ffbf
に書きましたので,noteのサイトに移動してお読みください.