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No.505 イベントお知らせ

投稿日時: 01/10 システム管理者

新年早々,大きな災害事故が連続しました.被害にあいました方々にお見舞い申し上げます.
皆様にとって良い年でありますように.
能登半島地震では,200kmも続く断層ができました.震源が15kmと浅いので大きな被害になりました.
志賀原発にあるのは活断層でないなどの無意味な理屈がありましたが、
原発の稼働をしてはいけません.
羽田航空機事故では、コントロールタワーとパイロットの交信が問題にされていますが、
私は、羽田飛行場の過密利用に問題があると思っています.
以前は、離陸と着陸の滑走路を分けていたように記憶していますが、
今は、同じ滑走路で着陸したらすぐに離陸が行われるように見えます.
夕方など、東京の上空を飛行機が数分の間隔で次々に通過します.
飛行機の事故では滑走路での交通事故が一番多いそうです.
飛行機は長いですから、尾翼はパイロットから見えにくい.運転しにくいでしょう.
尾翼の接触は良く起こっているようです.

さて、イベントのお知らせですーーーーー
1月20日「企画講演(第13回)」
3月2,3,10日「なかのZERO こどもカーニバル」
詳細は、https://sgk2005.org/news_info をご覧ください.

講演の1つに,結晶群の話があります.
結晶空間というのは、単位胞が並んでできる周期的な世界です.
周期的な世界で許される対称操作は限られます.例えば、5回回転対称は存在できません.
それは、正5角形のタイルでは平面を隙間なく張り詰めできないということからもわかります.
結晶空間群というのは、そのような周期的世界で許される対称操作の作る群のことで
3次元空間では230種類あることをフェドロフが数え上げました.

群の一般化は、3次元から4次元、5次元と高次元の世界に移ることもそうですが、
3次元の世界にいて、その場所の色を変えるということもできます.
場所を動かずにその場所の色(黒/白)を変える操作を「反対称」といいます.
黒-白群の概念を導入したのはシュブニコフで、これから,ベーロフ,ザモルザエフ,コプツィクなどによる
群の一般化が始まります.
これは、数学(群論)と応用分野(結晶物理学)が互いに影響を受けながら発展した例で、
数学の社会・応用に注目する数学月間の狙いを理解する良い例でしょう.
多くの皆様のご参加をお待ちします.

お気づきでしょうが、この分野はロシア(旧ソ連)で発展しました.
活発に研究されたのは1930~1980頃です.ウクライナもモルドバもソ連でした.
レニングラード、モスクワは科学の中心ですが、科学は技術の拠点はそれが必要な所にという
物理学者ヨッフェ(ウクライナ出身)の方針のもと、ウクライナのハリコフに研究所を作り、
モスクワ、レニングラードとの交流も、オランダ、ドイツの研究所との交流も盛んでした.
ハリコフには、シュブニコフ、ランダウなどが行きました.ザモルザエフもモルドバのキシネフに
新設された幾何学講座に着任しました.モルドバ大の幾何学教室は、その後100人以上の
群の一般化に係わる研究者を育て,モスクワの数学研究所と並ぶ第二の数学の拠点に育ちました.

ウクライナとロシアは文字通り兄弟で、互いに行き来し兄弟家族も住んでいます.
国民に犠牲を強いる戦争をすぐに停止することが必要です.
劣化ウラン弾もクラスター爆弾も供与しウクライナ人に戦争を続けさせる
米国よりの報道「ロシア悪、ウクライナ善」ばかりで日本の思考は止まっています.