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No.506 高次元結晶空間群

投稿日時: 01/29 システム管理者

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数学月間SGK通信 [2024.01.16] No.506
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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(1)1月20日の数学月間企画講演(第13回)が近づきました。
参加登録がまだの方はお急ぎください。
数学月間企画講演(第13回)のお知らせ
日時●2024年1月20日(土),13:00-17:00
場所●東京大学数理科学研究科棟002教室
プログラム●
●ロシアで発展した結晶群とその一般化,谷克彦(数学月間の会)
●超音速ノズル流の基礎と気体レーザーへの応用,佐藤浩之助(九州大学名誉教授)
主催●NPO法人数学月間の会(理事長:岡本和夫)
参加費(会場およびリモート)●1,000円(ただし,学生・生徒,当会会員は無料).
●会場参加費は直接会場でお払いください.
●遠方の方のためにWebexによるリモート中継も行います.
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(2)第12回,および,第13回の講演資料などを
https://sgk2005.org/lobby
に公開しています。ご覧ください。
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今回は、群と群の積を作り新しい大きな群を作る数学の解説です。
数式が出てきますのでくわしくは上記サイトでpdfファイルをダウンロードしお読みください。

ここでは、3次元の結晶群の高次元一般化について述べます。
FedorovとSchoenfliesが230の空間群タイプの結晶の導出を完了したとき、
高次元での対応する群の導出の可能性を検討するのは自然なことです。
1911-12年、BieberbachとFrobeniusはn次元格子の群対称性の一般理論を展開し、
任意のn次元ユークリッド空間において有限個の同型でない空間群の存在を証明しました。
これは,1900年に出されたヒルベルトの問題の第18を解いたことになります。
1948年、Zassenhausはこの一般理論に基づき、点群を用いて,これらの群を
並進部分群の拡張として導出するアルゴリズムを提案しました。
1950年頃、ハーマンは高次元で可能な結晶学的対称操作の完全な説明を与え,
最大対称性の格子とその結晶類について議論しました。
1951年、ハーリーは,1889年のグルサの研究を利用し,4次元ユークリッド空間には
227種の点群があることを発見しました。
4次元結晶空間群の4783種類(鏡映異像を考慮すれば4895種類)の完全なリストは1973年に計算され、
ブラウン,ボンドラチェックらにより出版されました。
これらの群は、1965年にDadeによって導出された9つの最大の対称結晶群から導出されたものです。
高次元の結晶群は、3次元周期が完全でない結晶(変調構造や複合構造)や準結晶を記述するのに応用されます。
高次元結晶群の一部に色付き結晶群があります。