投稿日時: 2022/12/20
システム管理者
2012/10/21
SGK通信(2012-15)和算小説2つ
1.「算法少女」でおなじみの遠藤寛子氏の旧著「きりしたん算用記」が,PHP文芸文庫から再版されました.たいへんすがすがしく心打つ作品です.寛永時代に出版された和算所書「塵劫記」へ繋がる時代背景の小説です.
2.映画「天地明察」(冲方丁 作)を見ました. 暦の改定をした渋川春海(安井算哲)の話. 日食や月食の予想をはずす当時の暦「宣明暦」を廃し,元で作った「受持暦」(当時,最も正確な暦であると観測で確認した)を改良した「大和暦」を作った.貞亨元年(1685)のことです.各地の緯度測定,和算と算額,関孝和,本因坊など多彩な時代環境が楽しめます. 関孝和のセリフが,数学と物理(観測)の性格の違いを思わせ面白い.改暦を実現しようとする水戸光圀,権益を守ろうと抵抗する公家たち?いつの時代も同じだ.