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2014/05/13 005_27枚のカード・トリックと3進法

投稿日時: 2022/12/23 システム管理者

2014/05/13
005_27枚のカード・トリックと3進法

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数学月間SGK通信 [2014.05.13] No.005
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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■27枚のカード・トリック
米国の数学月間MAMは毎年4月です.今年は,マーティン・ガードナーの生誕百年にあたり,
それを記念して,MAMの統一テーマは,”Maths, Magic and Mystery”でした.
4月は,毎日一つの面白い話題が発表されました.
27日に発表されたのは「27枚のカード・トリック」でした.
27の枚カード・トリックは,マーティン・ガードナーが1956年に発表したものですが,
それをマット・パーカーが発展した新バージョンです.

■Matt Parker
英国のエジンバラ・フェスティバルでは大人気のコメディ・ショーを持つ数学コミュニケータ.
見ていて楽しいです.⇒ http://www.standupmaths.com/

■27枚カードのトリックの演技


観客に任意のカード1枚(例えば,スペードA)と,27以下の任意の数字(例えば18)を選ばせる.
演技者は,選んだカードが何んであるか知らない.選ばれたカードを含む27枚のカードは
十分に混ぜられ,裏向きの束に積み上げられている.
演技の最後には,27枚のカード束の上から18番目の位置に,選ばれたカードを移動して見せる.
つまり,選ばれたスペードA(演技者は知らされていない)の上に17枚のカードがあるようにしたい.

この演技のプロセスに,3進法が利用されている.
3進法で17を表すと17=2x3^0+2x3^1+1x3^2で,221と表記される.
(ここでは,1の位から先に表記しているので,慣れている表記と逆順なので注意)
演技者は,27枚のカードを,3つの山に,1枚づつ配り分けていく.
選ばれたカードがどの山に入っているか聞いてから,3つの山を,さりげなく重ね合わせる.
再度同じ操作を繰り返し,結局全部で,この操作が3セット繰り返され,1つの束ができるが,
不思議なことに求めるカードは,上から18番目に置かれている.

このトリックのミソは,3つの山を重ねる順番にある.重ねる機会は3回あるのだが,
そのたびごとに,3つの山のどれを{上(Top=0),中(Middle=1), 下(Bottom=2)}の
何処に置いて重ね,1束にしたら良いだろうか?
さりげなく手際が良いので見分け難いが,ビデヲをよく見て練習しましょう.
ビデオの後半で,マットがその仕組みを説明する.なるほど3進法をうまく利用するものだ.