ここでも,片面しかない平面を扱います.
半連続平面という概念がここで登場します.これは,例えば,横軸に沿っては連続的で,縦軸に沿っては離散的(デジタル化された)な平面のことです.最もシンプルな片面のみの半連続平面の例は,紙上に描かれた平行なストライプ(横縞)の系です.ストライプの断面の中点は明らかに片面のロゼット$$2・m$$の対称性を持っています.
半連続平面全体は,水平軸$$b_{0}$$に沿って,そのような断面を連続平行移動するのと,軸$$b_{0}$$に垂直な軸$$a$$に沿って,有限(とびとびの)平行移動することで得られます.したがって,図全体の対称性記号は$$(b_{0}:a):2・m$$と書くことができます.
1対のストライプをストライプ1つに置き換えても,図は同じ対称性を持っています.もし,等距離のすべてのストライプが同じ方向性を持っている場合,対称性$$(b_{0}:a):m$$の図形になります.
有向「2重ストライプ」の系は同じ対称性を持っています.
半連続平面の次の類は,構造要素としての幅広のストライプと幅狭のストライプで構成されたストライプです.
この断面の対称性は前の場合と同様に$$m$$ですが,対称面は垂直でストライプに平行ではないため,図全体の対称記号は,$$(b_{0}:a)・m$$になります.ただし, 記号・と:は,対称要素(特異平面に垂直)が,シンボル内の最も近い並進軸に,平行か,または垂直かをそれぞれ意味しています.
第4の対称類は,異なる幅の有向二重ストライプで構成されている場合で,その結果,縦対称面と横対称面の両方が構造からなくなります.これらのストライプの対称記号は$$(b_{0}:a):1$$,または,より一般化して,$$(b_{0}/a)1$$です.
第5の対称類は,隣接する有向2重ストライプが,2回対称軸によって相互に関連するものです.この類の対称記号は$$(b_{0}:a):2$$,または,より一般化して,$$(b_{0}/a):2$$です.
第6の対称類は,隣接する有向2重ストライプが,映進面$$~a$$によって相互に関連付けられています.対称記号は$$(b_{0}:a)・~a$$と書くことができます.
片面のみの半連続平面の第7で最後の対称類は,記号に,垂直な映進面~aを追加することによって5番目から,または水平面$$m$$を追加することによって6番目から得られます(鏡映面$$m$$は$$2$$回軸を通過することに注意しよう).
対応する対称記号は,$$(b_{0}:a)・a:m$$,あるいは,$$(b_{0}:a):2・m=(b_{0}:a):2・a$$になります.
■まとめ:片面のみの半連続平面のすべての対称記号を以下の表の左端の列に書き出します.これらのうちで連続移動軸[記号$$b_{0}$$]を取り消し[$$b_{0}$$軸から下付き文字0を削除する]離散的移動にすると,片面のみの帯の対称性7種に帰着します.
したがって,片面のみの半連続平面は,無限の幅に引き出された通常の帯,あるいは,1つの連続した並進軸を持つ平面パターン(基本並進が無限に小さい)に他なりません.