両面連続面(連続面)の対称類の求め方は,片面連続面で行ったのと同様です.すなわち,両面ロゼット対称下の任意の点を選び,この点にロゼットの特異対称軸に垂直な軸$$a_{0}$$に沿って連続移動を行い;得られた直線を,やはりロゼットの特異軸に垂直,あるいは,任意の角度をなす並進軸$$b_{0}$$沿って連続移動します.$$b_{0}$$軸はロゼットの特異軸に垂直で,並進軸$$a_{0}$$とは任意の角度(例えば,直交)をなしている.
初期点の対称性が$$n:2$$の場合,連続体の記号は$$\left( a_{0}/b_{0} \right) :n:2$$,あるいは,$$\left( a_{0}:b_{0} \right) :n:2$$となります.両面ロゼットの対称類の数は無限なので,両面平面の連続体の対称類の数も無限です.
対称性$$\left( a_{0}/b_{0} \right) \cdot m: \infty \cdot m$$を持つ両面平面の例は,全方向に一様に引き伸ばされた薄いゴム製フィルムです.このようなフィルムの各点は,個別に見ると,$$m \cdot \infty :m$$[$$ \infty $$軸,垂直と水平な対称面,水平な2回軸]を持っています.同じフィルムを一方向に引き伸ばした場合,対称性$$\left( a_{0}:b_{0} \right) \cdot m:2 \cdot m$$を持ち,このようなフィルムでは,各点の対称性$$m \cdot 2:m$$,すなわち,直方体の対称性を持っています.
両面平面の半連続体は,帯の軸に対して垂直または斜交する平面内の方向に,両面帯の対称性を持つ直線を連続移動して得ることができます.帯の対称類の数が31であることから(図92参照),両面半連続平面の対称類の数も同じです.
対称性$$pmmm$$(図92,19)の帯から作られた半連続体の例として,互いに等間隔で平面内に張られた平行な線を挙げられます.
線の軸上の各点は,$$mmm=m \cdot 2:m$$の対称性,すなわち,両面帯19の個別図形の対称性を持っています.
線の間隔は,帯の図形間の距離に対応しています.線に沿って一方向に電流を流すと,半連続体の対称性は,帯の対称性$$pm2m$$(図92の5)になります.
図92($$p12/m1$$)で考察した線の系の磁場は,両面帯28の対称に対応する半連続体の対称性を持っています.
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